【枚方市】見学してきました。平和資料室特別展「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦後」
平和を願う枚方市のイベント
「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」へ
8月は広島と長崎の原爆の日や終戦記念日があり、戦争の悲惨さや平和の大切さを再認識する月でした。
1982年に大阪府内で初めて「非核平和都市」を宣言した枚方市では、ニッペパーク岡東中央にある平和の鐘「ヒラリヨン」が8月6日、9日、15日に鳴らされました。
平和を願う市のイベントとして、2021年8月12日(木)まで開催されていた平和資料室特別展「AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争」に行ってきました。
この展示は枚方市立中央図書館1階にある平和資料室で開催されていました。
展示について
「記憶の解凍」プロジェクトがカラー化した写真がパネルに
東京大学学生の庭田杏珠さんと渡邉英徳教授による「記憶の解凍」プロジェクトが著した書籍『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』(光文社新書)から選んだ、戦前~戦後の写真30点がパネル展示されていました。
カラー化した写真には、「原爆や戦争・平和について自分ごととして想像してほしい」という想いが込められているそうです。
こちらが展示です。
モノクロ写真がカラー化されることで、臨場感が生まれ、戦争の悲惨さや平和の大切さが鬼気迫るものとして、ひしひしと伝わってきました。
1936年5月2日 中島地区(現在の広島平和記念公園)にあった「濵井理髪館」前の濵井徳三さんと母イトヨさんです。片渕須直監督のアニメ映画「この世界の片隅に」の冒頭には、この写真を元にした理髪館と家族が登場するそうです。濵井さんは原爆で亡くなった家族に会うために何度も映画館を訪れたそうです。戦争さえなければ、と考えさせられます。
右の2枚は濵井さん提供によるもの。濵井さんのご家族は原爆で全員亡くなられたそうです。このような家族や近所の人との楽しいお花見や大好きだったお兄さんとの当たり前の日常が、たった一発の原子爆弾によって全てなくなってしまったのですね。
同じく中島地区にお住まいだった高橋久さんの家族と親戚の夏の団欒の写真です。何気ない日常が原爆によって消えてしまいました。本当に恐ろしいことです。
右は沖縄で米軍に投降する「白旗の少女」。幼い少女の裸足が痛ましいです。左は広島原爆によるキノコ雲です。灰色のイメージが強いキノコ雲ですが、片渕監督のアドバイスをもとに、上部をオレンジ色に補正し直したそうです。その臨場感から恐ろしさを感じます。
こちらは、戦後の子どもたちや日本兵の方々の写真です。疲れ切り、大変痩せていて痛ましいです。
終戦直後の長崎で焼け跡に残された曲がった十字架です。原爆の破壊力を感じます。
被爆から約3カ月後に撮影された広島市庁舎です。骨組みだけが残されていて大変な惨状です。下はまちの様子です。何もかもが失われているように見えて恐ろしいです。
1946年 東京・上野駅の構内で眠る人々。おそらく戦争孤児であろう子どもも写っています。大変疲れ切っているように見えます。
枚方市平和(戦争遺跡)ガイドをいただきました。市内には様々な平和に関するモニュメントがあるそうです。戦争を知らない世代が多数を占める今日、戦争に関する資料は大切ですね。
戦後76年経ち、戦争を体験された方が少なくなっています。私も戦争を経験していない一人ですが、今回の展示を見て、改めて平和の大切さや戦争の悲惨さを再認識することができました。
このような平和に関する展示が開催された際には、ぜひ家族や三世代などで訪れて、戦争や平和について対話する機会を持ってみてはいかがでしょうか?
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